「スペース・コロニー 宇宙で暮らす方法」向井 千秋 他(講談社)

あの向井千秋さんが著者、しかも個人的に興味津々な宇宙に関する本ということで、ワクワクしながら読ませていただいた本をご紹介します。

 

「スペース・コロニー 宇宙で暮らす方法」向井 千秋 / 東京理科大学スペース・コロニー研究センター(講談社)

 

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◆ざっくりとどんな内容が書かれているか?

日本人初の女性宇宙飛行士である向井千秋さんが、自身も研究している東京理科大学スペース・コロニー研究センターの方々とともに書かれた本。

タイトルは、「スペース・コロニーで暮らす方法」ですが、方法というよりも「暮らすようにするための現状の課題や取り組み」について、ご自身の研究内容をメインに紹介している本です。

最近、ニュースでSDGs・サステナブルなどのキーワードが取り上げられているのはご存知かと思いますが、その最先端の取り組みをしているのが、実は宇宙関連の技術なのです。

長期で宇宙で暮らすとなると主に下記の問題・対策・取り組みがあります。

  1. 無重力による骨量・筋肉の減少、循環機能の低下(心臓が小さくなる)・・・ 機能性宇宙食の開発、効果的な運動マシーンの開発
  2. 閉鎖空間での共同生活による対人関係の悪化、睡眠不足、精神や健康状態の悪化 ・・・ 気温、気圧、騒音、移住空間の使いやすさ、マンネリ化しない食事、LED照明のオンオフ調整による睡眠・覚醒サイクルの維持、高機能消臭抗菌技術を生かした機内服開発、尿と血液サンプルの定期的な分析、健康状態を常時モニタできるウェアラブルなバイオセンサ活用、地上の管制センターからの心理的なサポート、光触媒の活用
  3. 宇宙放射線による健康被害(火星探査では、国際宇宙ステーションにいるときの2倍以上の放射線を浴びる)・・・ 遮蔽技術、船内・船外活動をサポートするロボットの導入、薬の服用、被曝量モニタ技術
  4. 食料・水・エネルギー問題 ・・・ 宇宙船内での食料生産、水・空気の再利用、水中プラズマ技術による防カビ防藻、バイオ燃料電池のウェアラブル・デバイス用電源としての活用、畜エネルギー技術(軽くて放射線耐性の強くフレキシブルで高効率な太陽電池パネル、熱電発電デバイス活用・フライホイール蓄電など)、IoTデバイス向け透明太陽電池の開発

 

人類がスペース・コロニーで生活できるような環境制御技術を確立できれば、地球環境の保全にも必ずや役に立つ。

イーロン・マスクやジェフ・べソフが宇宙に強い関心を示すのは、宇宙旅行なんてレベルでなく、将来の技術開発にかかせない技術を得るためなのですね!

 


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◆個人的にためになった内容

「IoTデバイス向け透明太陽電池」「熱電変換温度度差発電」、「サバチエ(CO2還元装置)」「水中プラズマ」「袋培養技術」「バイオ燃料電池」・・・これらの技術について私は無知だったので、特に興味津々で読ませていただきました。

宇宙の本だけど、さすがは研究センターが書いているだけあって、最前線の技術開発を詳細に学べることができ、本当にためになりました。

以下に上記技術の一部をご紹介しますが、少しでも興味持たれた方はぜひとも本書を手にとって読んで学んでいただきたいと思います。1000円の本だけど、私は10000円以上の価値はあったと感じてます!!!

 

(1)IoTデバイス向け透明太陽電池

可視光線を透過(だから透明)し、紫外線のみを吸収して電力変換

宇宙空間では大気による光吸収がないため、紫外線の照射量が多く、地球上より2倍の発電量が得られる

材料の組み合わせによっては、乾電池よりも大きな電圧を得られる

宇宙空間の遮蔽物としても利用

シリコン太陽電池より10〜100倍壊れにくいCIGS太陽電池より、さらに数十〜数百倍の放射線耐性がある

 

(2)熱電変換温度差発電

室内温度と外気との温度差により発電する(ゼーベック効果の活用)

探査衛生が土星周辺まで到達すると、太陽から届く光が少なくなるため、太陽電池に換えて搭載されている

 

(3)サバチエ(CO2還元装置)

二酸化炭素から酸素を取り出して、空気を再生する方法の1つ

水素と二酸化炭素を高温高圧状態にし、ニッケルを触媒としてメタンと水を生成する化学反応のこと

二酸化炭素と水の電気分解で生成する水素を反応させて水を作り出し、その水を再び電気分解して酸素を製造するシステム

メタンを排気すると水素が不足してしまうため、将来的にはメタン分解を行うことで水素を再利用する方法が検討されている

 

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