書籍紹介『「イヤな気持ち」を消す技術』苫米地英人 (フォレスト出版)
最近、ポケット版としても発売されたばかりのベストセラー本をご紹介します。
それではよろしくお願いします。
◆何について書いた本か。
自分の記憶をコントロールするための脳の使い方を学ぶことができる本。
本書の後半でも書かれていますが、うつ病はすぐに治すことができるなど、少し乱暴に思われる内容もあります。
ただし、著者が、脳のメカニズムを理解した上で正しい知識に基づいて説明されておりますので、その点は誤解なく。
以下に本書で学ばせて頂いた機能脳科学に基づいた知識をご紹介させていただきます。
(1)あなたの考え違いを理解する
人間は「自分は正しい。自分が思っているようにならなければならない」と考えてしまいます。
人間関係は誰の視点で自分を捉えるかによっても変わってきます。
例えば、あなたが友人に裏切られたと感じる出来事があったとしても、友人からみたらあなたが裏切った行動をとっていたからかもしれません。
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(2)イヤな記憶・辛い記憶に悩まされるカラクリ
ポイントは下記2点。
- 人間の持つ信念(こうあるべき・お金儲けは悪・過去への後悔など人さまざま)がある。
- 大脳辺縁系の海馬と扁桃体のやりとりによって、失敗の記憶が増幅される。
人間は「自分は正しい。自分が思っているようにならなければならない」と考えてしまいます。
人が強く信じて疑わない固定的な考えをブリーフシステムといい、人は、そのシステムによって、未来を予期・予測する。
予期・予測にしたがって、人はあらゆる選択と行動を行うが、予期・予測に反したことが起こり、認識のパターンがずれたとき、失敗と判断し、強く記憶に残す。
つまり、私たちの記憶は、過去の失敗の集まり。
例えば、登校拒否が起こるのは、そういった失敗や認識パターンのずれを何度も経験したり、夢で見たりすることで、なんども強く記憶に残してしまい、長期記憶化してしまい起こる(トラウマ)のである。
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(3)トラウマ回避の方法
以下の2点
- その体験を繰り返し、慣れる。
- 前頭前野側から介入させる。(イヤに思わないための行動を自ら起こす)
経験し慣れるのは理解できますが、前頭前野側の介入はイメージしにくいかと思いますので、私自身の言葉で解釈すると「イヤに思わないための行動を自ら起こす」ということかと思います。
こうあるべきだという自分の考えをいったん俯瞰的な立場にたって冷静になって考え、行動に移すのです。
そのためには、過去の出来事に対するこだわりを捨てることが大事です。
過去の決断や判断は、自ら最適だと判断して選択したものであり、「〜すればよかった」と後悔しても無駄なのです。
ベストな選択をしてきた結果が現実。
過去に違う決断をしていたからといって現実よりも良い結果になるわけではないのです。
そんなことでクヨクヨするのではなく、過去の失敗を繰り返さない行動を今日から起こすことが大事なのです。
(4)怒りを鎮める方法
脳の前頭前野(決断)と大脳辺縁系(情動性)は、どちらかが必ず主で働き、同時に主で働くことはない。
カッカカッカと怒ったり、ドキドキして不安になるときは、大脳辺縁系が優位になり、前頭前野の活動が低下。
前頭前野を働かせ、大脳辺縁系の活動に介入することによって、その状態は即座に収めることができる。
悲しい記憶があるのであれば、それを話のネタに使うなどして娯楽に変えてみる。
本書では、喜怒哀楽すべての記憶を娯楽にすることをおすすめしています。
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◆おわりに
同じような書籍はたくさん出版されていますが、ここまで説得力ある本を読んだことがありません。
弱者に寄り添うというよりも、弱者自らで考えて行動しろ!と力強いメッセージ性がある本のため、立場によって良し悪しの判断はかわると思いますが、私自身としては読む価値ある本でした。
ぜひともおすすめいたい一冊。
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