書籍紹介『永遠〜君と僕との間に〜 ZARD 』 (幻冬舎)
図書館で芸能人・アーティスト系の本を物色していたら、昔なつかしのZARDの書籍を発見!早速読ませて頂きましたのでご紹介します。
それではよろしくお願いします。
◆本書の内容
「負けないで」などのヒット曲で知られるZARDのボーカリスト、坂井泉水さんのドキュメントブック。
(以下、Amazon紹介文より)
残された膨大な写真の中から厳選された、未公開を含むおよそ90点もの写真とともに、生前の坂井泉水を知る長戸大幸プロデューサーによる貴重な新証言を収録。
その他、共に作品作りに明け暮れたディレクター、マネージャー、エンジニア、ミュージシャン、フォトグラファーなどを徹底取材し、坂井泉水さんの知られざる人間像をリアルに描き出した。
書籍初掲載となる、坂井さんが書き残した歌詞の創作メモなども収録。
世の中を見つめる独特の視点が胸を打つ。
活動を網羅したディスコグラフィーとバイオグラフィーも含む永久保存版。
2007年に出版されたオフィシャルブック『きっと忘れない』の完全版ともなる一冊。
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印象に残ったエピソード
- B.B.クィーンズのコーラスのオーディションに坂井泉水さんが受けたが、すでに決定している宇徳敬子さんとキャラクターが重なっていたため、ZARDというプロジェクトをつくって歌わせるようになった。(長戸さん)
- 大黒摩季さんは、デビュー曲の『Good-bye My Loneliness』のコーラスにはじまり、『負けないで』『揺れる想い』など多くのZARD楽曲にコーラスで参加。
- 坂井さんはデビュー曲から作詞を手掛けているが、彼女にプロの作詞の手ほどきをしたのは、プロデューサーの長戸さん。下記の点を意識させたようです。
(1)口語体で書く
(2)Aメロで情景描写をする
(3)Bメロで状況説明をする
(4)サビで願望を言う
(5)サビに曲タイトルを入れる
- 坂井さんは、歌詞を書くために、文学を読み、映画を観て、言葉をインプットしていた。文学では、石川啄木と中原中也が好きで、啄木の歌集『一握の砂』に胸を震わせていたそうです。特に好きだった歌:友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ。映画では、『風と共に去りぬ』のラストシーンをヒントにのちに生まれた曲が『Today is another day』。
- トイピアノ(ピアノのような形状をした子ども用の鍵盤のおもちゃ)で、坂井さんは、マイクの右わきに常にセッティングし、歌入れのときにコードやピッチ、メロディを確認していたそうです。坂井さんは、トイピアノに”ベイビー・グランド”と名付け、「My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて〜」のタイトルにもなった。
- 坂井さんは、ボーカル・レコーディングのとき、スタッフに歌っている顔をみせないように、必ずカーテンを引いていたそうです。
- ZARDとしてテレビ初出演した『ミュージックステーション』の初回では、テレビ局が用意したスタッフがメイクしたイメージが、坂井さんイメージに合わなかったため、ノーメイクで出演したそうです。(長戸さん)
- 『君がいない』は、シングルCDでは、キーはCだったが、低いキーの方がより歌詞が伝わるという坂井さんの意見により、アルバムには、キーBで収録された。
- デビュー当時の坂井のヘアスタイルは、後ろで一つに束ねているのが特徴で、特に左再度の顔が美しかっ亜tので、左側のシルエットを定着させるようにジャケ写やアー写として撮影された。ただし、アルバム『揺れる想い』のジャケット写真だけはデザインの関係上、右側の顔になっている。ただし、この写真も反転させただけで実は左側の写真とのこと。(長戸さん)
- 『ミュージックステーション』に5回出演してから、メディアへの露出が一気に減った一番の理由は、坂井さんの体のコンディションが安定しなかったから。あと、カメラを向けられるのが苦手だったからだそうです。
- 坂井さんは、ZARD以前から熱い巨人ファンで、『果てしない夢を』で長嶋監督と共演したのを喜んでいたそうです。ちなみに、のちに監督になった高橋由伸選手の大ファンだったそうです。
- 坂井さんは、『負けないで』が大ヒットした後も、両親や姉妹とともに暮らす自宅から、毎日小田急線で1時間以上かけてスタジオに通ったが、ファンに声をかけられることはなく、アーティストオーラを消す才能があったそうです。(寺尾さん)
- 『来年の夏も』。この曲のレコーディングで、エンディング近くのピアノソロに、坂井さんはなかなかOKを出さず、こうリクエストをしたそうです。「リストの『ラ・カンパネラ』を参考にダビングできませんか。私の頭の中にリアルに音が鳴っているので。DIMENSIONのピアニスト、小野塚さんをブッキングしていただけないでしょうか」。結果、ピアノソロのレコーディングでは坂井の立会いのもと、小野塚さんが演奏を組み立てたそうです。(渡部さん)
- 坂井さんは、同じレコード会社所属の大黒摩季さん(2歳年下)を誘って、食事やカフェに行ったそうです。ZARDが大ヒットしてから厳しい管理体制下にいたため、スタッフの目を盗んで出かけたため、後で、大黒摩季さんは会社の人に怒鳴られていたそうです。(大黒さん)
- ZARDは、サビのアタマの言葉がタイトルになるケースが多いが、『心を開いて』は、サビの最後の最後にようやく歌われる。この曲は、「素敵な男性と出会って、閉ざしていた自分(坂井)の心が開いてほしい」と歌っている自分の歌詞らしい。(寺尾さん)
- 坂井さんは、ファンレターがリスナーとの唯一の接点だった。テレビやラジオにも出ないし、取材も受けず、夕方からスタジオへ向かう毎日。パーティーにも行かないので、ミュージシャン仲間もいなかった。プライベートの友達ともデビュー当初は会っていたそうだが、たくさんのサインをお願いされ、昔と同じように付き合えなくなり、疎遠になっていったそうです。
- 坂井さんは、アルバム『永遠』のころから、ボーカリストとしての壁を感じ始めていた。安室奈美恵さんや宇多田ヒカルさん、浜崎あゆみさんなどアップテンポのナンバーがにぎわせてきたが、ZARDは8ビートのロックがメインで、16ビートやラップなどは苦手だった。2000年から1年半ほど休養期に入った理由の一つだそうです。『My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて〜』では、当時の彼女の心情がつづられているそうです。
- 坂井さんは病院が好きではなかった。メディア露出が少ないため、物珍しさに、歯医者では、予約時間に知り合いを呼んでは合わせられ、虫歯の治療に一年半も通わされたそうです。
- 劇場版『名探偵コナン 水平線上の陰謀』のテーマ曲は、「夏を待つセイル(帆)のように」だが、当初は別の曲が候補だった。しかし、坂井さんがこの曲のメロディはたぶん子供が聴いたら楽しいと考え、(坂井さん曰く)「森のくまさん」みたいなアレンジというリクエストを意識して完成されたそうです。
- 生前最後のシングル「ハートに火をつけて」の撮影にて、撮影の合間にはキャストとして参加していた子供たちと戯れていたそうです。子供用カードゲームのムシキングの話で盛り上がっていたそうで、坂井さんがいつも甥御さんんと遊んでいたから子供に人気のゲームやアニメに詳しかったそうです。その撮影の日の夜に、坂井さんは子宮頸がんは入院、手術をすることに・・・。
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所感
子供の頃、大好きだった坂井泉水さん。
『ミュージックステーション』で「眠れない夜を抱いて」を歌っている姿をみて、好きになって、それから、CDではもちろんのこと、テレビ、ラジオから流れ来るZARDの音楽に溢れていた当時。
音楽は聴いていたけど、ZARDのことはまったく知らなかったですね・・・私は…
本書後半では、病と闘いながら、ツアーに臨む姿や、家族に連れ添われてレコーディングスタジオに来る様子、亡くなった後に書斎に残されたたくさんの手書きの歌詞、子供時代のエビソード、海外ではしゃく様子、hillsパン工場での伝説のライブの様子など、ここでは語りきれないほど、たくさんのエピソードが綴られておりました。
正直、後半は涙なくして読むことはできませんでしたね・・・。
ZARDのライブに行かなかったことは本当に後悔でしかありません。
でも、ZARD公式YouTubeサイトで、生前の姿をいつでもみることができ、彼女の音楽がいつでもどこでもスマホで聴くことができる世の中になりました。
これからもたくさんの名曲たちを聴き続けていきたいと思います。
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