書籍紹介「スマホ脳」著者:アンデシュ・ハンセン、訳者: 久山葉子(新潮新書)

書店に行くと、平積みされた「スマホ脳」と書かれた本。

気になっていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

スマホが私たちに与える影響について、精神科医でもある著者が、最新の研究結果を元にその真実を明らかにしています。

スマホがよくないとはなんとなくわかっていても一体何がどう悪いのか、興味ある方にぜひともおすすめしたい1冊です。

「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン、 久山葉子(新潮新書)

平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか? 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。

アマゾンより引用

スマホ脳(新潮新書)

新品価格
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<本書のポイント>

  1. ストレス、恐怖(危険)、うつには役目がある
  2. スマホは私たちの最新のドラッグである
  3. 集中力こそ現代社会の貴重品
  4. メンタルヘルスや睡眠に与える影響
  5. 子供たちに与える影響
  6. スマホと共存するために私たちはどうすべきか

 


(1)ストレス、恐怖(危険)、うつには役目がある

  • 大人の9人に1人以上が抗うつ薬を服用(スウェーデン)
  • 人間は遺伝子の役割として、危険から距離を置く
  • 不安(〜かもしれない)は人間特有のもので、常にストレスにさらされる要因の1つ
  • うつは長期にわたる(脳にとっての)ストレスの代償

<コメント>

危険や不安が、脳にとってのストレスになり、長期にストレスが続くと、遺伝子がストレスから距離を置こうと判断し、うつ症状を引き起こす・・・。

うつ病とは、病気ではなくて、人間としてあるべき行動なんだと気づけると、少し気持ちも楽になりますね。

 


(2)スマホは私たちの最新のドラッグである

  • ドーパミン(脳内の伝達物質):人間が何に集中するかを選択させる役割
  • エンドルフィン(脳内の伝達物質):人間に満足度を与える役割
  • ドーパミンを放出することで、人間はもっと知りたいと思う
  • ペットは餌を食べている時(行動)ではなく、餌を与えてもらう時(過程)で、ドーパミン量が増大する
  • スマホは、SNS、インスタ、メールなどご褒美がたくさん。常に脳がハッキングされた状態

<コメント>

スマホに依存している人間は、飼い主に「ごはん」と言われてしっぽをふっているペットのようなもの。

常に、「ごはん」と呼ばれて尻尾を振っている状態ということなのである・・・。

 


(3)集中力こそ現代社会の貴重品

  • 一部の人(1、2%)を除き、複数の作業を同時にできない(マルチタスクできない)
  • 同時に作業していると思っているだけで、集中する対象を瞬時に変えているだけ
  • 集中する対象を瞬時に切り替えると、遅延が起こり、集中力が落ち、短期記憶(ワーキングメモリー)も低下する
  • スマホをサイレントモードでポケットにしまっているだけで、集中力が阻害される

<コメント>

長期記憶するためには、短期記憶(ワーキングメモリー)に収納する必要があり、そのためには、集中力を高める必要があるとのこと。

無駄にテレビや音楽を流しながらの勉強とかはやらないようにしたいように心がけたいですね。

 


(4)メンタルヘルスや睡眠に与える影響

  • スマホの使用は、うつの危険因子のひとつ。なぜなら、時間が奪われ、運動や人付き合い、睡眠を十分に取る時間がなくなるから
  • 睡眠時(主に熟睡時に)短期記憶を長期記憶へ移動される
  • スマホを寝室に置くだけで眠れなくなる。睡眠導入剤よりも、スマホを寝室以外の場所に置くようにすることがおすすめ
  • SNSを使うと、周りの人がどれほど幸せかという情報を大量に浴びせかけられ、自分は孤独な人間だと感じ、自信を失わせる

<コメント>

就寝時は、スマホを寝室以外の場所に置き、スマホでなく、目覚まし時計で目覚めるようにしたらよい。

ということで・・・不眠症ぎみの自分もすぐに実践してみたいと思います。

 


(5)子供たちに与える影響

  • 子供にとっても、スマホは集中力をなくす存在
  • 集中力が低下すると、将来のごほうび(良い仕事につく)より、目先のごほうび(お菓子を食べる)にばかりに注意を注ぐようになり、すぐに上達できないこと(楽器演奏、語学学習など)を学ぼうとしなくなる
  • スマホによる睡眠不足で、子供も心の不調が増加
  • スティーブ・ジョブズもわが子にはiPadを触らせなかった

<コメント>

本書には記載されていませんが、若者投資家が、積立投資よりも、一攫千金を狙って短期で稼ごうとする傾向があるのも、我慢や自制など集中して考えることができないことも要因かもしれませんね。

 


(6)スマホと共存するために私たちはどうすべきか

  • 脳は身体を動かすためにできている。運動することで、すべての知的能力が機能向上する。
  • 睡眠を優先し、身体を良く動かし、社会的な関係をつくり、適度なストレスに自分をさらし、スマホの使用を制限することで、脳はスマホに適応することができる。

 

以上、個人的なコメントもまじえていろいろ記載させてもらいましたが、スマホの危険性を感じてもらえましたでしょうか。

スマホを寝室に置くことの影響、うつ病は人間としてあるべき行動な話など、なかなかいままで考えてもいなかった気づきも得れたし、非常に読む価値ある本でした。

これは本当におすすめ本。

興味持たれた方は、ぜひぜひ読んでみてくださいね。

 


<スマホ脳関連本>

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