書籍紹介:学生時代こんな本が欲しかった!『工学博士が教える高校数学の「使い方」教室』
学生時代こんな本が欲しかった!!!
っは! ついつい心の声が(笑)
今回ご紹介する本は・・・
『工学博士が教える高校数学の「使い方」教室』(ダイヤモンド社)木野 仁
なんのために数式を学ぶのかを問う本はいくつかありますが
「先端技術でどう使われているか」に焦点をあててあるところが、この本のすごいところ。
先端技術・テクノロジーでワクワクしながら、数学も学べることができる・・・学生時代に、こんな本に出会えたら、自分も東大に合格できたのになぁー(笑)
本書で紹介している1例を紹介させていただきます。
<素因数分解を用いた暗号化技術>
・素因数分解・・・正の整数を素数のみの積で表すこと。
(素数:自分自身と1以外では割り切れない自然数のこと)
例)36 = 2^2 * 3^2 (2の二乗 かける 3の二乗) 36は素数2と3に分解される
・コンピューターは素因数分解が苦手。
人間と同じように、小さい素数(2)から順番に割っていく手順で処理をしていくため、時間を要する。
例)6565 を素因数分解するには
2で割ろうとするが割り切れず、次は3、次は4、次は5で割りきれる(6565/5=1313)
その後、また5から順番に割り算を繰り返し、13で割り切れる。
結果: 6565 = 5 * 13 * 101 となる。
・インターネットの暗号化技術(例:RSA方式)・・・素数は簡略化した例である
公開鍵と秘密鍵の暗号化には、あえてコンピュータが苦手とする素因数分解を利用している。
例えば、ショッピングサイトで商品を購入する際、サイト側は、素数として、3373 と 9907 を選び、
それを掛け合わせた数字 33416311 を公開鍵として利用者に公開する。
秘密鍵(3373 と 9907)は、サイト側のサーバ内部にあり、外部には流出しないことになる。
公開鍵を元に利用者の、たとえばクレジットカード番号を暗号化し、
ネット通じて、サイト側サーバに送信されることで、サイト側の秘密鍵でのみ復元されるようにしている。
というわけ。
公開鍵をたとえ第三者が解読(素因数分解)しょうとしても、素数の桁数を増やせば、解読に時間を要するため、セキュリティが保てるということなんですねー。
う〜ん、なるほど!
情報処理技術者試験とかの本でも、暗号化技術について説明されていますが、こういうふうに素因数分解の説明とかまったくなし。
本書のように説明してくれたら理解も深めるのにね・・・。
ここで取り上げた素因数分解を用いた暗号化技術は、あくまで基礎レベルな一例。
本書には、テーラー展開や、ベクトルなどの応用例も紹介されてますので、興味持たれた方はぜひぜひ本書をチェックしてみてくださいね!
あぁぁぁ〜勉強って楽しいなぁ〜。