書籍紹介『未来の年表 業界大変化』河合雅司 (講談社)

 

河合雅司さんの人気シリーズ「未来の年表」の最新作を読ませて頂きましたのでご紹介させていただきます。

それではよろしくお願いします。

 

『未来の年表 業界大変化』河合雅司 (講談社)

                       

◆本書の内容

『未来の年表 業界大変化』とは

これまで「未来の年表」シリーズでは、少子高齢化や人口減少がもたらす大きな出来事(危機)について、いつ何が起こるのかを「人工減少カレンダー」として体系的に紹介されておりましたが、今回は、そのビジネス版になります。

各業種や公共サービスの現場で起きつつある課題を人工減少の側面から捉え、どうすべきか進むべき方向性を示してくれる一冊となっています。

 

 

本書の構成

序章 人口減少が日本にトドメを刺す前に

第1部 人口減少日本のリアル

革新的ヒット商品が誕生しなくなる ――製造業界に起きること
整備士不足で事故を起こしても車が直らない ――自動車産業に起きること
IT人材80万人不足で銀行トラブル続出 ――金融業界に起きること
地方紙・ローカルテレビが消える日 ――小売業界とご当地企業に起きること
ドライバー不足で10億トンの荷物が運べない ――物流業界に起きること
みかんの主力産地が東北になる日 ――農業と食品メーカーに起きること
30代が減って新築住宅が売れなくなる ――住宅業界に起きること
老朽化した道路が直らず放置される ――建設業界に起きること
駅が電車に乗るだけの場所ではなくなる ――鉄道業界に起きること
赤字は続くよどこまでも ――ローカル線に起きること
地方に住むと水道代が高くつく ――生活インフラに起きること
2030年頃には「患者不足」に陥る ――医療業界に起きること1
「開業医は儲かる」という神話の崩壊 ――医療業界に起きること2
多死社会なのに「寺院消滅」の危機 ――寺院業界に起きること
会葬者がいなくなり、「直葬」が一般化 ――葬儀業界に起きること
「ごみ難民」が多発、20キロ通学の小学生が増加 ――地方公務員に起きること
60代の自衛官が80~90代の命を守る ――安全を守る仕事に起こること

 

第2部 戦略的に縮むための「未来のトリセツ」(10のステップ)

ステップ1 量的拡大モデルと決別する
ステップ2 残す事業とやめる事業を選別する
ステップ3 製品・サービスの付加価値を高める
ステップ4 無形資産投資でブランド力を高める
ステップ5 1人あたりの労働生産性を向上させる
ステップ6 全従業員のスキルアップを図る
ステップ7 年功序列の人事制度をやめる
ステップ8 若者を分散させないようにする
ステップ9 「多極分散」ではなく「多極集中」で商圏を維持する
ステップ10 輸出相手国の将来人口を把握する


 

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

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本書の結論

日本が人口減少に打ち克つつためには、「戦略的に縮む」という成長モデルが重要。

上記「本書の構成」にて記載した第2部のステップ(1〜10)に従い、各企業が成長分野を定め、集中的に投資や人材投入を行うことで、乗り越えることができると著者は提言している。

 

 

所感

良かった点:数値データが豊富で、エビデンスに基づいて説明されているので、説得力がありました。

企業の重役の方が、本書を引用して自社の取り組みに活かすのであれば、とても重宝する本だと思います。

 

いまいちな点:数値データが多すぎて、ページ数を割いたこともあり、本質的な中身の情報について少し薄さを感じました。

上記「本書の構成」にて記載した第1部の出来事を読んでもらえばわかりますが、「そんなことが起こるのか!」と驚くほどの内容ではなく、「人工減少すれば、まぁ、そうなるわなぁ〜」と思うほどの内容ばかりで、少し物足りなさを感じましたね。

このあたりは、好みの問題かもしれませんが。

 

将来、IT人材が不足するということで、とりあえず安心。

もし、仕事をやめることになったら、地方の銀行のIT人材として雇ってもらおうかな。

そうなるためにも、資格、各種ITツール等を使いこなせるように努めるのみ!

 

 

学びメモ(しぐさ)

  • 2050年までに起きる世界人口の変化の最大の特徴は、(インドを含む)「中央・南アジア」の人口が(中国を含む)「東アジア・東南アジア」を抜き、「サハラ砂漠以南のアフリカ」が遜色ない規模にまで拡大する3大エリア時代になるということである。
  • 日本企業と欧米企業の利益率の開きについて:米国は1990年代において無形資産投資が有形資産投資を逆転して企業価値を高めてきたのに対し、日本は2000年代以降も有形資産投資のほうが上回り、いまだ重視する傾向は変わらない。

 

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